ブランディングの定義
ブランディングについてです。
何度かご相談を頂いたこともあり需要があるのかな?と思いました。
そこでポイントひとつだけ。
1.ブランドとは信頼。
ブランディング(branding)とはブランド(brand)を構築すること。
僕が昔読んだ本では、ある職人の作ったレンガがとても品質が良く注文が増えた。そこで他のレンガと見分けるために名前を入れることにした。これがブランディングの始まりだそうです。諸説ありますのがここではこのお話を引用で。
※別の参考文献を最後に明記しておきます。ご興味ある方はどうぞ。
ブランディングも目的があります。ただやればいいわけではなくてなぜやるのか。僕はその目的を「信頼を得る」だと考えています。
具体的にいうと、社名なり商品名を聞いたとき「持たれる」イメージを「持ってもらう」にすること。それにより常に購入候補に入るようにする。
今回のポイントはこれひとつ。奥さんこれだけ持って帰って(笑)
ブランド = 信頼性
名前から、その企業の商品サービスについて
良い意味で消費者の頭にイメージされること。
お客様へ品質を保証すること。
それにより
購入選択時に優位に立つ。
例えばユニクロと聞いてどんなイメージ持たれますか?ZARAなら?
スターバックスとドトールではどう違います?
TOYOTAはどうでしょう?それに対してHONDAや日産は?三菱やマツダならどうでしょう。
エルメスとシャネルならどんな違いを思い浮かべますか?
ミキハウスとアカチャンホンポなら?
商品はもとよりお店作り、客層、場合によっては社長のキャラクターや株価などなど様々あると思います。
品質保証という非常に硬い言葉を使いましたが、とくに高額商品に限った話ではありません。
吉野家だってそうですよね。金額感、スピード感も含め、こういう商品、こういうお店であることがイメージされ、どこのお店でもそれに応えるようにしている。
それにより、時間がない人、安く済ませたいという人がお店の看板(ロゴ)を見たときに「吉野家ある」と選んでもらえる。「吉野家ある」と思ったときアタマには牛丼の映像や価格感などが浮かんでいるわけです。商業施設のテナント選ぶときにも「うちは吉野家出店してほしいよね」など候補に入れてもらえる。
2.ロゴさえ作ればいいということではない。
エルメスのロゴには馬車が入っています。なぜか。
エルメスはもともと馬具メーカーです。乗馬や馬車のサドルなどを作っていた。自動車時代になり馬具の需要がなくなっていく中で、革加工の技術を応用してバッグなどの革製品へシフトしていきました。
馬具は安全性が必要な商品です。なので高度な革加工技術を持っていました。その技術力で商品を作っていますよという品質についてのメッセージとなっているわけです。これはロゴを用いたブランディング例。
うちの社名「UNDERS」は僕が考えている理念に基づき作りましたが、これはブランディングの起点に出来ると考えていました。社名でもそういう作りかたは出来る。
ですが本当の意味でのブランディングはロゴを作ればいい、企業スローガンを作ればいいということではなく、商品サービスがそれを裏切ってはいけない。それが大前提。でないと発信している情報が嘘になり、信頼を得られなくなります。結果的に売れなくなる。なので品質が重要なのです。
以前テレビで堀井雄二さんが「ドラクエの名前を冠する以上は絶対面白くないとダメなんです」とおっしゃっていました。シリーズとして特にブランディングをしているわけではないですが、このような根っこの考えが商品を通じブランドを形作っており、新作の情報が出ると消費者は過去に遊んだときの印象がアタマに浮かぶわけです。そこまで踏まえるとこうすればブランディングというワケでもないと言えるでしょう。
3.企業の大小でもない。
僕がご相談されたケースは、もっと小さな企業様です。スタートアップ時期のお客様もいらっしゃいました。
ということは「イメージを持たれることまでいっていない」ということ。
ブランディング以前に「知られていない」わけです。なのでそこからスタートしなければならない。
だからといってブランディングについて考える必要はないということではなく、一度でもいいので事業の棚卸をしてブランディングについて考えておくと、その後の事業展開や宣伝活動に軸を作ることができるでしょう。
企業の大小は関係なく、その企業なりお店なりがお客様になにを提供していくのか、またこれからどのような方向へ行きたいのかを一度考えてみるだけでもいいと思います。もちろん今あるものを見直してもいいでしょう。
以前ご相談はされたときはオーダーではなかったので作業はしていませんが、依頼になったら僕がお話伺って取材してコピーやスローガンを考えるよりも、社長様や従業員の皆さんをまじえたディスカッションにしたいと思いました。小さな会社ならそれが出来る。
うちもまだ社歴はないですが、社名を作ったあとはその理念に則った事業展開を考えています。
参考文献
「ECサイト × ブランディング」株式会社フラクタ著/宣伝会議
「ビジョナリー カンパニー」ジム・コリンズ ジェリー・ポラス/日経BP出版センター