ネーミングのテクニック5選
僕はネーミングに基本的な考え方があります。ですがそれは次回にして今回はすぐに使えるテクニックをご紹介。
当てはめてみるだけのテンプレート的なものくらいでご覧ください。商品名、屋号両方にまたがっています。
お考えになる際のたたき台になれば。
○日本語のカタカナ化
これは皆さんよくご覧になっていると思います。
例えば「ヒカリエ」や「アステラス」「ミライオ」。これらは企業や施設名としての使用例です。
「文章の名詞化」ということですね。企業理念を伝わりやすくスタイリッシュな印象にしてネーミング化できています。
特にご自身の企業理念や伝えたいことが明確な場合、それを言葉にしてカタカナにしてみてください。
いくつか作ってみるといいでしょう。単語でも短めの文章でもいいです。
スーパーで「アコレ」というのがありますが「あ、これ!」からだと思います。
僕はお店に行ったことはないのですが、品揃えや価格面で発見があるよという意味かな?
これは見てすぐ分かる感じではないですね。
これはここ十年くらいかな?ポピュラーな手法となっています。
意識してみると多数見つけられるでしょう。
〇外国語から作る
「LUMINE」などは外国語からとってると思われます。
由来が公表されていないようですが、まったく無意味ではないでしょう。
「DOUTOR」と同じつくりだと思われます。意味が伝わるかより語感優先だと思います。ファッションビルやカフェですからね。
ご自身のお店や商品サービスを外国語で言うと何になりますか。いろいろ探してみましょう。
そのまま使うより少しもじる、ふたつの単語を混ぜるなど工夫してみて下さい。
そのほうが印象に残りやすい。
〇メタファー(比喩)
要するに例えです。
「アップル」はコンピューターを食卓のリンゴくらい身近にする、という企業理念が込められています。
(諸説ありますがここではこれを引用します)
アップル創業時はパソコン黎明期でした。パッと聞いてもそこまでわからないと思いますが、自社の理念として、また社員に対してということでもあると思います。うちが作る商品はこういうものを目指してるよということですね。
「MacBook Air」はAirが比喩ですが、これはわかりやすいと思います。軽いということ。
クルマでいうと「CROWN」も比喩です。王冠、ようするに最上級車ということ。キングオブ日本車です(笑)
僕の社名も「LASER BEAM」なんて考えました。アイデアのひらめき、課題を正確に撃ち抜く、というような意味を乗せられる。
ですが、この名前からそこまでは伝わらないだろうと。また当時はイチロー選手を想像する方もいるかななど想定してやめました。
ご自身の会社やお店、商品サービスを例えるとなにになりますか?そこからできる手法です。
〇アナグラム
アナグラムとは文字遊びです。
たとえば、うちの地元の商業施設は「AKOS(アコス)」。SOKA(草加)の逆読み。
溝の口駅前にあるのは「NOCTY」。ミゾノクティってことですよね(笑)。
いいたいことをアルファベットにして並べ替えてみる。途中で区切ってみたり。逆から読んでみたり。カタカナなど日本語でやってみてもいいですね。そんな遊びからも作れます。
〇語感も重視なら「跳ね」「伸び」「ブレーキ」
・跳ねは「ン」
・伸びは「-」
・ブレーキは「ッ」
例えば「とんでん」っていう名前なら「跳ね跳ね」です。
「アップル」ならブレーキがひとつアクセント。「ソニー」なら伸びがひとつはいっています。
うちの社名「アンダース」は跳ねて伸びてブレーキです。「ッ」は入っていませんが伸びのあと一音あることで止め感が出ます。
「アンダー」だとそのまま流れていく感じになる。
社名候補だった「LASER BEAM」だとレーザービームで「伸び伸び伸び止め」という感じでしょうか。力感もあります。
あとは五七調や韻を踏むなど。前述の「アステラス」は5音で「ス」で韻を踏んでますね。
「ダ」「パ」とか濁音、破裂音いれるのもいいです。力強さが出ます。
手法は違いますが「消臭力」もアナグラムといえると思います。
以前エステ―化学の社長様が「プロレスラーの長州力からとった」とおっしゃっておりまして。
ダジャレといえばそれまでなんですけど、耳に残るように作って店頭で手に取ってもらうため。
売り場の棚には競合商品が多数あるので、CM等で流した商品名を覚えてもらい店頭で優位に立つお考えでした。
でもそれ、成功しましたよね。
〇自分が気に入るか
お店や会社の屋号の場合、意味よりもご自身が気に入るかどうかに重きを置くのもアリです。
ご自身の事業の名前が気に入ると仕事への意欲が高まる。社名は名刺などにも使います。名刺を渡したくなるようにもなる。
例えば「スタジオジブリ」の意味はわかりません。でも宮崎駿さん高畑勲さんにとっては意味があるのだと思います。
この点については商品名、メニュー名などは別として下さい。それは次回お話しします。
こんなことでも知っておくと、ああこれはこう考えて作ってるんだということが見えるようになってきます。
そんなところも含め皆さまのご参考になれば。