これは僕がベンチマークにしている広告のひとつ「Guns With History(銃の履歴)」
ベンチマークとは、平たく言えば目標や基準というようなニュアンスです。
動画は英語なので説明します。
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これはアメリカの銃犯罪撲滅を目指すNPOが行いました。
銃の所持が認可されているニューヨークに銃砲店を開店。
お客さんが「この銃見せてほしい」というと、
店主が「ああこれはいい銃だよ。一瞬で20人の子供を撃ち殺したんだ」
などと「銃の犯罪歴」を説明する。現実にその銃が使われた事件の話をします。まあ使用例ですね。
犯行に使われた実物も置いてあります。
当然お客さんはびっくりしますよね。でもその話を聞いて考え直し買わずに帰っていく。
そのびっくりした表情がすごくいいのでぜひ動画でご覧ください。1分15秒くらいからです。
もちろん、その後お店のネタばらしをして、お客さんに銃犯罪についての感想をお話ししていただいています。動画の最後に入っています。
ちょっと「どっきりカメラ」ぽいですけど(笑)
これはアメリカで反響を呼び、マスコミに取り上げられました。日本でも報道されています。
元からYouTubeにアップして活用する動画として制作したのではと思います。
報道されるのは無料ですから費用対効果は高かったでしょう。
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大事なのは、なぜこの企画が生まれたのかということです。ここを考えること。 みなさんは、この「ニセの銃砲店」というアイデア、なぜ出来たと思いますか?
僕の勝手な推測では、
おそらく「銃支持者に直接訴えたい」ではないか。
例えばこのNPOが集会やイベントを行ったとする。でもほぼ「銃規制賛成の人」しか来ないと思うのです。
要するに、もう啓蒙する必要のない人たち。
でもこのNPOが訴えたいのは「銃支持派の人たち」。「本当の顧客」はそこなわけです。
でも彼らは集会には来ない。
そこがおそらく「課題」だったのではないか。
そこで出たアイデアが「ニセの銃砲店」ではないかと。銃砲店には銃を買いに来ますからね。銃支持者が来ます。
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このアイデアを誰が出したのかはわかりません。コピーライターかもしれないし、NPOの人かもしれない。誰であっても秀逸な企画だと思います。
先ほども書いたように、店主が銃犯罪について語り出した時のお客さんの表情がすごくいいです。
ここに説得力があり「人を動かす企画」になっている、と自分は思います。