僕が賞をいただいたコピーコンテスト、広告クリエイティブ専門誌「ブレーン」のC-1GP。
この時のお題は「人前でスマホいじりをしなくなるコピー」
受賞作は「ひとこと、断ろう」でした。
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よくご覧になってみてください。
実はこれ、スマホいじりをしなくなるコピーにはなっていません。
でも僕はこれを応募作に選びました。
なぜなら「解決の提案」になっているから。
ひとこと断れば、相手は不愉快ではないであろうと。
問題なのはスマホいじりそのものではなく、相手が不愉快になること。
要するにそこが解決されればよいわけで、スマホをいじるかどうかに捉われなくてもいいのでは?
そう考えました。
言い方を変えると「マナーの提案」ということです。
ひとこと断ればスマホいじってもいいわけで、両者Win-Winとなるかなと。
まあ三作応募なので一本はこれにした、というのがホントなのですけどね(笑)
他の二本はもう覚えていませんが注意の喚起的なものです。他の入選作はこの線が多かった印象です。 ・ ・ ・
もう一例。
野球の古田敦也さんが「フルタの方程式」という番組の中でお話しされていたこと。
野球のデータを見るとボール先行になるほど安打になる確率が上がり、ストライク先行になるほど打ち取られる確率が上がるそうです。それは落合さんやイチロー選手でも変わらない。
そこで古田さんは、ボール先行にするために相手ピッチャーに初球ボールを投げさせられないかと考えた。
実際出来ました。どのようにしたのでしょう?
開幕してから全チームと対戦が一巡するまで、すべての打席で初球を打ちにいったそうです。
ヒットしようが凡打しようがお構いなし。
すると、すべてのチームに「古田は初球から打ってくる」というデータが入る。
二巡目からは全チームが初球ボールを投げてきたそうです。どのピッチャーでも。
結果、多くの打席でボール先行に出来た。
おそらく首位打者を獲られたシーズンのお話だったかと思います(記憶が曖昧ですがw)
これなど、その打席ごとやピッチャーごとに対策していませんよね。
視点の枠を「打席ごと → シーズン全体」に広げたわけです。
ピッチャーではなく、その奥にいるスコアラーやコーチ陣に視点を移したともいえます。
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これらは課題の見方を変えたことで、いい解答が得られた例だと思います。
みなさんの抱えていらっしゃる課題でも、視点を変えてみることできっかけが見えるかもしれません。角度を変えてみたり、広げてみたり。
そもそもこれってどういう結果になってればいいんだっけ?
相手はどう考えているだろう?
などとお考えになるというのも、きっかけを掴む一つの手かもしれません。
