ここ数年読んだ中では飛びぬけて面白かった本です。
もともと会社員時代から経営者の本を読むのが好きでした。起業するつもりで読んでいたわけではなく単に面白くて。
そのなかで起業家、経営者の方が挙げる良かった本の中に、結構な割合で「ビジョナリーカンパニー」が入っている。またこの本入ってるなと思うことが多くて。でも読んでいませんでした。他にも読みたい本あるし(笑)
で、三年くらい前に急に思い出して買ってみました。
タイトルから企業理念などがテーマかなと思ったのですが、「はじめに」を読んで、ここに切り込むのか!と驚きまして。
そこから面白くて引き込まれた。買ったのはその年の暮れだったのですが「ここで今年一番の本が来た!」と(笑)。出版されたのはもっと前です。
内容は・・読んでみてください(笑)
自粛が明けて、書店で見かけたら「はじめに」だけでも読んでみて(笑)
2のほうまではいいかなと思っていました。なんか売れたから出した的な、二番煎じ感とかあるじゃん。でも去年書店で見かけまして衝動買い(笑)
ほんとは、1を読んで著者が2匹目のドジョウ狙いで本を出すような人ではないだろうと思っていたから。
2はまだ読んでいる途中ですが(しばらく本棚に積まれていたw)、これも引き込まれています(笑)。読まれていない方おすすめ。
なにがそんなにいいかというと、一般論や常識をひっくり返して本質に迫っているというのもあるんですけど、著者の仕事ぶりというか視座の高さというか。志、姿勢のところ。
そういうところが見てとれる。自分の場合はそこかなと思いました。
たとえば
「わたしたちはあえて「ビジョナリーカンパニーを作る十の方法」といったノウハウ本のスタイルを避けてきた。そんな方法をとったら、読者を裏切り、調査の結果を裏切ることになるだろう。(中略)あなたにも名画がかけますというキットをミケランジェロが買うようなものではないか」
「めったに与えられない黒帯をとうとう受け取れることになった武道家が、師範の前にひざまずいた。何年にもわたる苦しい修行によって、ようやく、頂点に立つことができるのだ」
などなど、結構個人的な思いや一見本のテーマからかけ離れていそうなことも入っている。でも外れていません。この武道家の話から著者が何をいいたいのか興味ある方は読んでみて(笑)
2のほうでも
「この本に書かれていることに疑問を出し、反論を考えるよう読者に呼びかけたい。尊敬する教師のひとりがこう話してくれたのを覚えている。「最高の学生は教師から学んだことを鵜呑みにしない学生だ」。ほんとうにそうだ。(中略)この本の内容のすべてを闇雲に受け入れるのではなく、慎重に考え抜くよう勧める」
「よくこういう質問を受ける。「そこまで大がかりな調査研究を進めたの動機は何なのか」。的を得た質問だ。この問いへの答えは一言でまとめられる。好奇心である。答えを知らない疑問をとりあげて、答えを追求していくことほど面白いものはないとわたしは考えている。(中略)「この旅で何を発見できるかは分からないが、帰ってきたら必ず何があったかを知らせる」と言って出発する旅ほど、面白い体験はない。」
とこういう感じなんです。
「ここでわたし達は迷った。議論を繰り返した」など壁に当たったことも素直に書いてあって。論理的な分析、検証とあわせてこういう話もあちこちにあるんです。そこがいい。
内容はちゃんと経営や運営についてになっていますが、ビジネス書という枠を超えて、上質なレポートとして、提案書として、そして純粋に読み物として面白い。痛快ささえ感じます。
2の終わりが近づいてきた今は、本の内容だけでなく、この著者ジム・コリンズ氏から盗めるエッセンスが多いなと思って読んでいます。
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